板橋区 植村冒険館 見学

2/6(日)に昨年末リニューアルオープンした植村冒険館板橋区植村記念加賀スポーツセンター内3階)を見学した。

 

ずいぶん昔のことだが、板橋区・蓮根にあった頃は何かにつれ訪れたものだ。

この頃の植村冒険館にはちょっとした図書スペースがあり、そここそが山岳関係書籍の宝庫で、興味深いところであった。

 

東京雪稜会を知ったのも、そこで会報「ベルクシュタイガー」を目にしたからで、その時の印象が入会の最大の動機だった。

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1階のエレベータ入口

展示内容などどう変わったか、植村直己を通して何を知ってほしいのか、などなど興味があった。

 

展示内容は蓮根の頃より充実した体裁で、映像資料やレアな実物などがワンフロア―の大きくもないスペースにコンパクトにまとまっているようには思えた。

見ごたえは確かにある。

 

しかし、植村の評価がこんなものなのかという思いがもたげ、ちょっと不満でもあった。

 

以前からよく言われているように、エベレスト登頂や北極点の踏破は目立つ業績であるがそれをもってして植村直己が偉大なのではない。

また、冬季マッキンリー登頂後の遭難に係るオペレーション・ミスにかかわる部分は全く触れられておらず、ほんわかした見世物であるなというのが私の最終評価となった。

 

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建物の外観

公の施設であるし、あまり尖がったことは言えないことは百も承知であるが、これが今もって日本社会におけるアウトドアを取り巻く文化の限界だとしたら残念に思わざるを得ない。

 

また、図書スペースが著しく狭小になったのも残念であった。

3月からは予約が必要(3階どんぐり文庫のみ、1階は開架)になるとのこと。貴重な資料的書籍(主に雑誌や会報)がいくらかはあるので、限定的な利用は致し方がないだろう。

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黒色火薬製造機を用いた記念碑

施設(板橋区植村記念加賀スポーツセンター)に隣接する広場に、明治の頃の黒色火薬製造機を用いた記念碑が目に入ったので近よってみた。

王子あたりから板橋のこの界隈は軍都・東京の遺構が多く残るところであることを思い出した。

 

植村自身がそこまで板橋区に愛着があったようには思えないが、人として営み、思索し、成長した地であることは間違いない。

住居があった地により近づき、ここに顕彰されることにおいては全く異存はないと思い返して帰路に着いた。