5/23(土)に東丹沢・早戸川・本間沢を遡行した。
メンバーはかみさん。
この山域は林道事情やヒルの多さからあまり訪れることはない。
以前原小屋沢を遡行したことがあったので気になる場所ではあった。
折悪しく梅雨の走りのような気候になってきたところではあったが、逆にワン・チャンあるとみて実施に及んだ。

本間沢 最初の登る滝
天候イマイチの季節逆戻りでは入渓者が少なく、何よりヒルが少なくなることが期待できそうに思えた。
3時半に起きて6時半頃には駐車スペースに着いた。
長い林道歩きになると覚悟して歩きだすと、しまっているはずのゲートが開いていた。

1時間以上の早戸川林道歩き。
どうもこの日は付近のマス釣り場の解禁日らしく、その上流域にも車が入ることができるようだった。
とはいえ、状況は不明であるし夏に向けた山慣れ・歩き慣れも目的としていたのでそのまま歩いてアプローチすることにした。
早戸川魚止めの森(旧丹沢観光センター)までの道はほぼ復旧しており、荒れた部分はなかった。
とはいえ、今も通行止めということにはなっている。
昼を警戒して施設のコンクリ路面上で入渓準備をしていたら、ハーネスを車に忘れてきたことに気づいた。
沢始めとはいえ、特大の凡ミスだ。
スリングで簡易ハーネスができそうなのでそのまま続行とした。
歩き始めで早速ヒルがあらわれたが、それ以降は足元にかまっていられなくなり実際目にすることもなかった。

ラインを見定める
入渓前半は荒れ気味の溪相だったが、やがて落ち着いてきた。
入渓して30分ほどでいい感じの滝があらわれた。
シャワーになるが登れそうだ。
かみさんは嫌そうだったが仕方がない。

目覚めのシャワーになった
前日までの降雨の割には平水と思われたが、水は思った以上に冷たく感じた。
おそらく気温は13~4度といったあたりだったのではないか。

ここからは易しい登り
このぐらいの外気は予想していたので、いつもの沢装備より厚手の装いだったが、その後もしばらく体の冷えは収まらなかった。
先ほどの滝からいくらか行ったところでまたそそり立つ滝が見えた。

そそり立っているように見え、一見手ごたえありそう
近くでよく見ると右側のラインが登れそうに見えた。
一段登ればその先も行けそうに思えた。

最初の1、2歩は緊張した
出始めこそ足が乏しかったが、しっかりしたホールドが水流中にあり、すんなり突破できた。
それはそうだろう、この沢はそもそも初級とされる人気の沢なのだから。
悪場がそうそうあるとは思えない(時にその思い込みは危険だが)。

幽玄の趣が漂う
天候は降雨こそないが曇天で、沢の中は薄霧がかかっていくらかひんやりしていた。
速乾着であっても濡れた体からはどんどん体温が奪われていく。
中でも指先はかじかみ、感覚が感じにくくなったりもした。
登攀では不安要素だ。

10mくらいのスラブ壁の滝
水流の中のホールドをとるのは殊更に冷たく感じた。
それでも我慢の範疇で、そもそも易しい登りなので楽しくサクサクと先に進めた。
980m付近の2連続滝は、下から見えた2段目の滝がどうにも登れそうには見えなかった。
そこで、安易に左ルンゼから高巻こうとしたがグズグズで悪い。
一般的な沢なのに人跡がなさすぎる。
思い直して滝を登ることにした。

ホールドがない2段目の小滝の乗越でのチムニー登り
1段目は簡単で、2段目も近寄ってみれば右から小さく巻けそうだった。
水中に打たれたハーケンに残置のひもがついているのが見えた。
なんとなればA0できそうだったが、思い切って登っていることにした。
というか体が勝手に反応してしまった。

確保されて登るかみさん
この手の登りは得意なので、簡単に登れた。
かみさんにはロープを投げて確保したうえで登ってもらった。
続いてすぐ上に核心とされる15m大滝があらわれた。

15m大滝(かつては右のトイ状に流心があったらしい)
左の水流中の方が弱点のようだが、けっこう体が冷えていて突っ込む気になれない。
さっさと先に進みたい気分だった。

正面右側のトイ状の登ることにした。
トイ状は近寄るとまあまあ寝ていて、易しいクラック登り的な感じに見えた。
十分に湿っているが、なんとか登れそうに見えた。
ハーネスないためスリングで簡易ハーネスとしてまとってはみたが、支点ないのであまり意味なかった。

意外と楽しく登れた
場所を選べばジャミングが有効で、足を開くなどして体を支えつつ直登した。
Ⅲ+とのことだが5.6くらいのグレードと思えた。
登りきった先の岩にスリングをかけて支点をとり、かみさんに登ってもらった。
どこでもそうだが、当然のようにすんなり登ってきた。
滝を登っている頃は軽い低体温症になっていたのだろう。
ホールド感が鈍く、カラビナの安環が回しづらい感じがした。
連続ゴルジュ帯を抜けたあたりからだんだんと体温が戻ってきてホッとした。
いくらかの滝を過ぎると溪相が変わり、詰めの様相になってくる。

超巨大落石が先に見えた
いくつもの枝沢を分けて詰めていく。
地形図をよく見ていたはずだが、気が付くと右に逸れていて枝尾根に向かうようになっていた。
仕切り直すのも面倒なので、そのまま西側の枝尾根をめざす。

尾根に乗るのも間近にみえたが
スカイラインが見えてきて少なくとも尾根は間近と思われたが、足場が悪くなってきた。
また、ヒルがふくらはぎについているのをかみさんが見つけてくれたのでつまんで捨てたが、忘れていたヒル害も気になってきた。

枝尾根(無名ノ頭北尾根)に乗った。
どうにか尾根に乗り、廃道同然の登山道から無名ノ頭に向かう。

無名ノ頭
予定していなかったが、ピークに立てて良しとした。
さらに本間ノ頭(東峰)に向かう。
余計に登った分だけ降りる羽目に。
予定ではその鞍部に出るはずだったが、見下ろすとけっこう立っているように見えた。
結果オーライだが、右逸れもありかもしれない。

遅れて咲いたきれいな花
本間ノ頭への道々、ホッとしたのもあってか木々の豊かさに目が行った。

美しいブナ林(本間ノ頭)

下から見上げると気分が和む(本間ノ頭)
本間ノ頭にて装備を解き、昼食とする。
ドキドキしたが、この時点ではヒル害はなかった。

本間ノ頭 木製テーブルがあり、整備の跡があった
ゆっくり休んで、下山に入る。
思い違い(標識に引っ張られた?)で尾根を間違えており、すぐに気が付いたが危なかった。

所々で目印があり、バリエーション路にしては難路だが分かりやすい
けっこな傾斜と入り組んだ尾根でGPSや目印なければなかなかの難路と思われた。
久しぶりのロングウォークで両足ももが悲鳴を上げていた。
2時間近くかけて早戸川魚止めの森に戻る。
霧雨が降ってきたので、あまり休まず先を急ぐ。
1時間かけず16時前に車まで戻れた。
足が痛かった割にはまあまあのペースか。
足痛は加齢や脱水もあったのかもしれない(水分取ったら軽減した)。
全身確認したが、ヒルは見つけられなかった。

駐車スペースに戻る。
たくさん歩くことができ、ヒル多発地帯にあって間隙を縫ってヒル害なく無事終了できた。
目標は達成できた気がした。

装具に紛れ込んでいたヒル
帰宅してから沢装具を入れた袋を出したところヒルがあらわれた。
1匹だけではあったが、吸血せずにどこかに潜んでいたようだ。
なかなかに侮れない。
ヒル害がなかったのは、出発時と下山時に足元中心に念入りにヒル忌避剤をつけておいたおかげだっただけかもしれない。
初級などというくくりではない、本間沢を様々な観点から今回は堪能でき満足できた。