5/21は西上州の九十九谷中間尾根ゴリラⅢルートをトライした。
メンバーはかみさん。
8時頃、九十九谷登山口より入山。
かみさんが飲料を買い忘れたので、ここで湧いている水を入れていく。
二俣から中間稜のかなりの急傾斜を木などを掴みながら登るとそれらしい岩が見える。
そこが取付き。
しかし、苔はしっとりしており実際滑る。
倒木を掴みながら登ることも考えたが、リスクの割にはばからしい。
直登はあきらめ、左から弱点を縫って登った。
少し降りるが、左のルンゼからも1P目の終了点に上がれるので、ここはパスしてもいいのかもしれない。
核心のスラブを観察すると、それはもう見ただけでしびれた。
ちょうどこの頃ににわか雨が降ったりやんだりを繰り返した。
転進の口実を与えてくれているような気がした。
何度も行き来を繰り返し、かみさんに「もっとコンディションのいい時に登ったほうがいいよね」とかきいて同意を得ようとしたが、はっきり言ってくれない。
触っているうちにラインが読め、いける気がしてきたので思い切って登り始めてしまった。
初登時ノーピンだったスラブにも、実際はリングピン2本と上部にハーケンもあった。
途中の倒木含め、プロテクションが取れるところはすべて取りつつも何とかオンサイトで登り切った。
よく見て、冷静に登れば5.8クラスの普通のスラブ登りで行けるところであることはわかったが、ともかくもしびれた。
3P目は回り込んで簡単なⅢを登り、灌木帯を40mくらい歩く。
4P目はお楽しみピッチで、やさしいわりには楽しめる。
凹角ラインにカムが効くところがあり思いきれるうえ、フリクションが効いて見た目より傾斜がないので怖くない。
稜にのし上がるところの1歩が楽しい。
手前でリンクカム♯2が決められるので怖くない。
長くやさしいリッジも楽しみどころだ。
50mいっぱいに伸ばすことになる。
さらに灌木帯を歩き、最終ピッチにに臨む。
いろいろな行き方があるようだが、初登に近いラインから登ることにした。
これが見た目以上に微妙で、今回の核心であった。
高さがない分グランドフォールの危険を伴うもので、同じラインからはもう登りたくない。
初登はもっと右からだったのでは?
トレースするグループの多くは左際から登っているが、いくらか登りやすいのだろうか?
いったんピッチを切って、わずかに歩いてから最後の短い壁に臨んだ。
ここも短いが土と岩ヒバと岩が混然一体となったような壁で、触ってみないとわからないような代物だった。
弱点を縫い、回収不能となった残置カムも使い。自分のカムももちろん使い、なんとか登りきった。
左に寄るより、中央からが正解のようだった。
広い尾根上に出てからは登攀具をたたみ、歩きで稜線に詰める。
標識のある登山道に出たら一安心だ。
顕著な見晴岩の下の木陰でランチとした。
この頃にはすっかり晴れ渡り、夏のような日差しが射していた。
見晴岩は容易に登ることができ、周囲を見渡すと実に絶景であった。
下山路もエアリアマップでは破線扱いだけあって、一般路とはいいがたい難所もあったが、クライマーならどうということはない。
足場のチッピングもされていた。
ただ、初登者の安村氏は下山20分としていたが、これはかなりのダッシュでも無理ではないだろうか?
我々は初見でゆっくりではあったが1時間ぐらいかかった。
14時前には駐車場に戻る。
帰路では道の駅オアシスなんもくと道の駅しもにたに寄ってご当地食材など買って帰宅した。