稲子岳南壁左カンテルート

10月3日(土)に稲子岳南壁左カンテルートを登った。

メンバーはかみさん。

 

いずれ登ってみたいマイナーで易しいアルパインルートとしてとってあった。

あちこちが傷んでいるので、これくらいならいけると思い決めた。

調べてみるとマイナーでもなくなったらしい。

ただし、いまだにアプローチはわかりにくいようだ。

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みどり池から見た稲子岳

 

10月2日(金)に夜出して稲子湯唐沢橋登山口に向かう。

家は9時過ぎに発。八千穂高原まで高速で行けるので思ったより早い。

コンビニで買い出しして12時頃には着、そして車中泊

他には5~6台ほど。

 

翌3日は5時起床して6時過ぎ頃には出発した。

朝は食が進まないが、カップ麺だけにしたのがよかった。

 

アプローチの登山道は急登もあるが緑で鮮やか苔の森をたどれて気持ちよい。

しらびそ小屋から先はルートへのアプローチ道の入口があるため、ジオグラフィカが入ったスマホ画面に気を配る。

 

アプローチは壁の南から急登の森を直線的にたどるのと、中山峠近くから壁の縁をたどるのとがあるようだ。

 

合理的で手堅い後者の方法をとった。

一般道からの入り口は明瞭で、稲子岳への踏み跡もはっきりしていた。

 

ルートの取付に至る分岐には特に目印はなかったが、地形を見れば明白であった。

わかりにくいと定評があった割には全く迷うことなく取付にたどり着けた。

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アプローチから見た左カンテの全貌

一般道から岩場が見えたあたりですでに登っているパーティーがいるのは分かったが、我々が到着した時も3人の先行パーティーが登ろうとしているところであった。

 

予想はしていたが、なかなかの人気ぶりである。

到着は9時ぐらい。30分は支度やら腹ごしらえやらしていた。

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1P目から取付点を望む

十分に間を開けて登ったつもりであったが、先行は初心者の練習をさせていていかにも遅い。

終了点下の岩にスリングをかけてピッチを切った。

 

ぶつぶつ言っていたのが聞こえたようで、先に行くかきかれたがそうすると追い上げられてせわしないのでとりあえず譲る格好をとった。

2P目も終了点下でピッチを切り、カムで支点を作る。

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2P目 凹角でⅢ級

この辺りはざれていて浮き石も多い。

後続もいたので落石には注意するところだ。

 

けっこう待ったが先行の新人君はまだ終了点に至っていない。

テラスはやや広なので上にずれて待機。

 

後続が上がってきたのでしびれを切らして凹角の左、ワイドクラックから登る。

先行は凹角の旧ラインを辿っていたので被らずに済んだ。

 

クラックの登りはできない。

ボルトがあるので突っ込めるが、意外と悪い。

右手首が痛んで少し苦労する。

 

先行の新人はずいぶん上までいって、支点の取り方も悪くロープが引きにくいようだ。

こちらはすぐにピッチを切って、とりあえず先行のフォローを先に行かせる。

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4P目

4P目は岩稜歩きだが、岩塔部に上がる凹角は一歩がやや悪い。

ここでも右手首が痛んだ。

こんな程度ののし上がりで痛むとはとショックを受ける。

 

終了点はやはりふさがっているので、岩頭にスリングをかけてかみさんを上げる。

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最終5P目

先行がいってからすぐビレイ点を移して登り始める。

右手首の痛みが気になったが、左の凹角は高度感はあるもののガバもあって易しい。

 

おまけの壁を登り切ったところに終了点のハンガーボルトがある。

待ちもあったが、12時前には終了できた。

 

先行の人たちからはわびも入れられたが、まあこのルートは初心者の練習ルートみたいなものであるから和やかに別れた。

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稲子岳山頂

コマクサの防護柵を越え、この際なので稲子岳の山頂を目指す。

絶壁の際近くに踏み跡があり、それを辿っていくとほどなく何の視界もない山頂に至った。

 

メジャーな八ヶ岳にあって最もマイナーな山頂のひとつだろう。

風もあって寒いくらいだったので、一路下山する。

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稲子岳南壁上部より天狗岳、硫黄岳方面を望む

 

踏み跡も明瞭でやがて岩場基部との分岐点に合流する。

一般道をゆっくり下山し、みどり池で大休止。ランチとする。

 

さらに下って15時前頃には車に戻れた。

 

この日は今月からようやく東京在住者にも利用できるGO TOキャンペーンを使って小海リエックス・ホテルに宿泊。

GO TOクーポンをもらった上に、豪華な夕食を堪能する。

 

夜になると疲れが一気に出てきて、2回目の風呂には行けずに寝入ってしまった。